話を聞いた人
松島 俊弥
営業ディレクター
相馬工業株式会社
会社概要
- 会社名
- 相馬工業株式会社
- 業種
- 大型製缶溶接・機械加工
- 従業員数
- ~100名
- 展開先国
- アメリカ
- 利用サービス
- 海外営業支援
- 公開日
インタビュー
勝手に引き合いが来る、営業が必要ないメーカーが、未知のアメリカへ
相馬工業株式会社は、宮崎県に拠点を置く産業機械・大型設備の受託製造メーカーだ。製缶溶接から焼鈍・ブラスト・機械加工・塗装・組立・検査まで、一貫して自社工場内で完結できる体制を持つ。半導体、発電プラント、造船、航空機、食品——扱う業界は幅広い。通常の工場では対応できないサイズの構造物を手がけられる、国内でも数少ない存在だ。
その特殊なポジションゆえに、営業はこれまで受動的だった。営業ディレクターの松島俊弥氏はこう語る。
「うちは普通の企業さんが作れるサイズのものじゃないものを扱っている。だからお客さんの方からリクエストが出てくるケースが多いんです。既存顧客からの仕事を沢山頂けている中、そのフォローアップで忙しく、なかなか海外新規顧客開拓に割く時間が取りづらい環境にあった」
しかし、既存顧客からの引き合いに頼る体制だけでは成長に限界がある。井野社長の号令のもと、松島氏はかつて商社の米国駐在で培った経験を活かし、米国市場の新規開拓という未踏の領域に挑むことになった。
メールだけで大型案件は動かない——だからこそ「弾数」が要る
日本の中小メーカーがゼロからアメリカのBtoB市場を開拓するハードルは、語学力だけでは越えられない。松島氏は課題の構造を冷静に見つめていた。
「BtoBで、しかも大型の構造物。梱包、シップメント、通関も全部出てくる。アメリカで今自社の工場で作れているものを、わざわざ日本から取り寄せるつもりはないという企業がほとんど。品質もわからない異国の会社に、いきなり頼む理由がない」
どこの誰とも知らない日本企業からのメール一通で、大型案件が動くほど製造業は甘くない。だからこそ松島氏が求めたのは、アプローチの「母数」を桁違いに増やす手段だった。
444社——44倍のチャンス
TrstのAIが発掘したのは、米国全土から444社のターゲット企業だった。
「AIが444社ピックアップしてくれたのは非常に助かった。あれなくしては、自分がどこかで情報を見つけてきたとしても、せいぜい10社ぐらいじゃないですか。44倍の数のチャンスをもらえたわけです」
松島氏はAIのマッチングスコアと自身の業界知見を掛け合わせ、165社を選定してアプローチを開始。AIスコアで8〜9点の企業に加え、6〜7点でも松島氏自身がB評価以上と判断した企業を含めた——テクノロジーと現場の目利きを組み合わせた選定プロセスだ。
社長同士が画面越しに向き合った日
165社へのアプローチの中から、ペンシルベニア州の機器メーカーが反応した。この企業はすでにベトナムやトルコから加工品を輸入しており、海外からの調達に抵抗がなかった。AIのマッチングが「相性の良い相手」を見つけた構図だ。
時差を調整し、Web会議が実現する。日本時間の朝9時、米国東部時間の夜8時。相手の社長は自ら「夜8時なら家に帰っているから大丈夫だよ」と時間を合わせてくれた。
「社長同席で一時間ほど打ち合わせをさせてもらって、向こうから具体的に『こういうものを今考えている』と写真が出てきた。これは非常にインパクトがあった」
相馬工業にはよく似た製品の製造実績があった。写真をベースに概算見積を作成し、提出した。
見積に対する反応は良好。円安が追い風となった。現在は正式図面の受領を経て、本見積りへと進めるフェーズに入っている。
「確率」で勝負する——BtoB大型案件の開拓戦略
BtoB×大型構造物×国際取引という、一件あたりのハードルが極めて高い領域。松島氏はこの半年の経験から、海外開拓に必要な条件を見据えている。
「やっぱり行って、直接話して、工場の現場も見せてもらう。あ、これならうちのサイズにバッチリ合っている、ぜひ見積もりさせてくださいと、そういう話は現場でしかできない。でもそのためには、まず四、五社は訪問先の目星がないと、アメリカに行く意味がない」
アプローチの母数を桁違いに増やし、その中から「相性の良い相手」を見つけ出す。松島氏にとってTrstのAIは、その最初のピースだった。
「従業員レベルだと決定権がないし、余計なことをやりたがらない。たまたまあの会社は社長に直接コンタクトできて、しかも海外調達の経験もあった。そういう相手を、444社の中から引き当てられたのは大きい」
課題
- 製缶溶接から機械加工・塗装・組立・検査まで一貫対応できる技術力を持つが、営業は既存顧客からの引き合い対応が中心で、能動的な海外新規開拓の経験がほとんどなかった
- 米国市場の開拓を目指すも、現地に頼れるネットワークが限られ、メールだけでBtoBの信頼を築く難しさに直面していた
- BtoB×大型構造物×国際輸送という三重のハードルがあり、「わざわざ日本から取り寄せる理由」を相手に納得してもらう必要があった
Trstの解決策
- 1 TrstのAIシステムで米国全土から444社のターゲット企業を発掘。マッチングスコアと適合ポイントを自動算出
- 2 AIスコアと松島氏自身の業界知見を掛け合わせ、165社を選定してアプローチを実施
- 3 反応のあった企業と時差を調整しながらWeb会議を設定。社長同席のもとで製品写真をベースに具体的な商談を実施
- 4 概算見積を提出し、為替メリットを含む価格優位性を提示。正式図面による本見積りフェーズへ進展
導入効果
自力の44倍——AIが開いた米国市場への入口
自分一人で探していたらせいぜい10社が限界だったところ、AIが444社を発掘。44倍のアプローチ機会を得たことで、確率論で勝負できる土俵に立てた
社長同士のWeb会議から、見積提出・好反応へ
ペンシルベニア州の機器メーカーとWeb会議を実現。時差を超えて社長同士が直接対話し、製品写真をもとに概算見積を提出。好反応を得て正式図面をリクエスト中
海外調達に慣れた企業を引き当てた精度
商談が進んだ企業は、すでにベトナムやトルコから部材を輸入しており、日本からの調達に抵抗がなかった。AIのマッチングが「相性の良い相手」を見つけた好例
担当者コメント
「AIが444社ピックアップしてくれたのは非常に助かった。自分一人で探していたら、多分せいぜい10社ぐらい。44倍のチャンスをもらえた。具体的な商談まで出てきたのは、ありがたい。」
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